



「生前対策」と言えば、高齢者や病気などで寿命が迫っている方がするものというイメージがあるかもしれません。しかし、身近な人の死をきっかけに20~30代の若いうちから生前整理をする方もいます。
生前それまで元気に過ごしていたのに、ある日突然、病気や事故などで生涯を終える可能性はゼロではありません。誰しもが死を迎える時が必ず来ます。その日に備えて生前整理をしておけば、故人の遺志が尊重されるだけでなく、残された家族の負担が大きく軽減されるメリットもあります。
今回は若いうちからしておきたい生前整理についてご紹介します。
人が亡くなると通夜葬儀をはじめ、役所での手続きや遺産分割協議など、やるべきことがたくさんあります。その「やるべきこと」を行うために、さらに細かく「やるべきこと」があるのですが、突然家族を失った遺族からすると「判断できない。どうしたらいいのかわからない」という事態に陥ります。一例として、通夜から埋葬方法までを考えてみましょう。
まず、家族の一人が死亡したことを誰に知らせるか、知らせるためには故人の友人や交友関係を把握しなければなりません。そこでスマホのロックの解除を試みるも、解除方法がわからず誰に訃報を知らせたらいいのかわからず、手続きが滞るかもしれません。
次に葬儀を行うにあたって葬儀のスタイル(仏教、キリスト教など)、規模(一般葬、家族葬など)といった葬儀の内容についても、故人の遺志がわからない以上、遺族が判断しなければなりません。
そして葬儀を終えた後も、埋葬方法はどこの墓に納骨するか(故人の実家か、もしくは配偶者の実家か、など)、または散骨する場合、どこの海に散骨をすればいいかといった方法も遺族が判断します。故人が生前、散骨を希望していたとしても、それが遺族に伝わっていなければ故人の遺志に反して希望しない墓の中に納骨される可能性もあります。
ざっくりとした例でご紹介しましたが、このように故人の生前の希望がわからない遺族は、自分の判断と故人の遺志が一致しているかどうかわからず、迷いを残したまま決断を迫られるのです。
では、具体的にどのようなことをすればいいのか、若いうちからできる生前整理として次のような項目があります。
遺品が多いと遺品整理に相当な労力を要します。残しておきたいもの、形見分けしてもいいもの、どうしても処分したくないもののほか、不要なものは処分してできるだけ物は少なくしておきたいものです。私物の整理は断捨離できるメリットもあります。
エンディングノートは、生前の故人の遺志を書き留めておきます。市販されているエンディングノートは医療や葬儀の希望など、遺族が知りたい情報を記載する欄が豊富にあります。自身の死後、一連の手続きに関して少しでも遺族の負担を減らしたい場合は、できるだけ詳しく書き残しておくと良いでしょう。また、年に1回は見直しして、常に最新の情報を残しておくことをおすすめします。
さらに詳しく生前対策について知りたい方は、相続に詳しい弁護士にお気軽にご相談ください。
このコラムの監修者
福田法律事務所
福田 大祐弁護士(兵庫県弁護士会)
神戸市市出身。福田法律事務所の代表弁護士を務める。トラブルを抱える依頼者に寄り添い、その精神的負担を軽減することを究極の目的としている。
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