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審判前の保全処分

遺産分割調停はある程度時間がかかります。時間をかけても調停がまとまるとは限らず、まとまらなければ審判になります。

この間、対立している相続人が相続財産を保管している場合、調停成立前、あるいは審判前に勝手に相続財産を処分してしまうことがないとはいえません。その場合せっかく調停や審判で自分の主張が認められたとしても、そのとき現実に財産が残っていなければ事実上無意味になってしまいます。

そのような事態を防ぐために、審判前の保全処分として、審判が下るまでの間相続財産の処分を禁止する仮処分を申し立てることができます。審判前の保全処分は遺産分割調停(審判)の申立てが先行、あるいは申立てと同時でなければできません。

また、預貯金も遺産分割の対象になりますが、遺産分割が終了するまで遺産となる預金を引き出せないとなると、葬儀代の支払いができないなどの不都合が考えられます。

この点の不都合を解消するため、平成30年の家事事件手続法改正により、必要な範囲で遺産に属する預貯金を引き出すことを認める審判前の保全処分が新設されました。

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