解決事例
相手の寄与分の主張が審判で却下された事例
【解決事例】相談者は、兄妹の二人兄弟の兄でした。
ご両親が相次いで亡くなった後半年ほどは、神戸市内のマンションは手つかずのまま残され、これといって遺産分割の話し合いはありませんでした。
というのは、かなり昔から兄と妹とで性格が合わず、お互いにあまり関わりを持たずに十年以上過ごしてきたからです。
とはいえ、両親のマンションをこのまま放置するわけにもいかず、相談者は行政書士に遺産目録作成を依頼し、妹に対して遺産分割を呼びかけました。
しかし、妹はそれに対して全く返答することなく、困った相談者は当事務所に相談されました。
相談後弁護士から遺産分割を呼び掛けたところ、妹にも代理人弁護士がつきましたが、こちらの遺産分割案に対しては妹も代理人も全く回答しませんでした。
こちらの遺産分割案は、マンションを売却し、他の遺産も含め平等に分けるというシンプルなものでしたので、代理人すら回答しないという対応は理解に苦しむものでした。
やむを得ず遺産分割調停を申し立てましたが、妹は調停では一転して、生前に父母のために自分が介護に尽くしたこと、そしてそれを寄与分とすべきことを主張しました。
また、相談者が生前に両親から受けていた様々な援助が特別受益であるとも主張しました。一部については相談者も特別受益として認めるものもありましたが、大半は無理な主張であると思われました。
本来は、このような調停では4、5回期日を重ねれば争点が整理され、調停委員から調停案が出てだいたいの方向性決まります。
しかしこのケースでは、妹側に妥協の姿勢が見えず次々と寄与分や特別受益の主張を追加していき、調停期日も15回近くになっても終わりが見えませんでした。
最後は調停は不成立となり、審判に移行しました。
不思議なことに、審判に移行する際に妹側は寄与分の申立てをせず、さんざん強調していた自分の寄与分の主張を放棄してしまいました。
審判では、相談者に一定の特別受益があることを認めたことを除けば、不動産は売却したうえ、遺産を半分に分けるというごく常識的な結論でした(当然ながら、妹の寄与分は全く認められませんでした)。
その他の解決事例
遺留分減殺請求をし、交渉により金銭の分与を受けることができた事例
【解決事例】相談者は長男で、ビル1棟を所有していた父親が亡くなり、相続が発生しました。長男と不仲だった父親は、次男にすべてを相続させる遺言書を作成しており、兄弟は父親が亡くなって初めてその遺言内容を知りました。
同じく父親の遺言により相続ができなかった長女は諦めていましたが、納得いかない長男は、こんな不公平な遺言を覆すことはできないかと当事務所に相談に来られました。
詳しく見る >相手の寄与分の主張が審判で却下された事例
【解決事例】相談者は、兄妹の二人兄弟の兄でした。
ご両親が相次いで亡くなった後半年ほどは、神戸市内のマンションは手つかずのまま残され、これといって遺産分割の話し合いはありませんでした。
というのは、かなり昔から兄と妹とで性格が合わず、お互いにあまり関わりを持たずに十年以上過ごしてきたからです。
とはいえ、両親のマンションをこのまま放置するわけにもいかず、相談者は行政書士に遺産目録作成を依頼し、妹に対して遺産分割を呼びかけました。
しかし、妹はそれに対して全く返答することなく、困った相談者は当事務所に相談されました。
詳しく見る >遺言無効確認訴訟を提起し勝訴した事例
【解決事例】相談者は2人兄弟の兄で、父親の死後に初めて弟から自筆で書かれた父の自筆遺言の存在を知らされました。
遺言は数年前に書かれたものでしたが、書かれた当時父親の認知症が進んでおり、弟が遺言書作成時父親の家に頻繁に出入りしていたことから、弟の影響により作成されたことがうかがわれました。
相談者は、遺言で相続することに決められた財産の中身よりも、父親が生前に常々話していた意思が全く反映されていない遺言内容であったことに不信感を抱きました。
相続について弟と話し合う以前に遺言そのものの無効を認めさせ、父親の意思を尊重しなければならないと考え、遺言無効確認訴訟を提訴することになりました。
詳しく見る >遺産分割を経ても実家に住み続ける権利を勝ち取った例
【解決事例】相談者は3人兄弟の次男です。
長男・長女はそれぞれ独立して実家を離れていましたが、次男は体を壊して仕事に就けなくなった時から、実家に戻って父親と長年同居してきました。
父親が亡くなり、兄弟間で遺産分割を協議しましたが、相談者は他の兄弟から、実家の不動産(父親名義)を処分して金銭で分配するよう求められていました。
長年父親の世話になり、生活の面倒を見てもらってきた次男のことを、他の兄弟は快く思っていなかったようです。
しかし、収入がわずかで蓄えもあまりない相談者は、今後賃貸で暮らしていけるかどうかも不明で、実家を売却してしまうと住むところがなくなってしまう可能性がありました。
その点を非常に不安に思い、実家に住み続けることを何とか他の兄弟に納得してもらえないか、と当事務所に相談に来られました。
詳しく見る >
結局、調停前にこちらが提案した遺産分割案とほとんど変わらない結果に終わりました。調停まで全く回答しなかったり、審判で寄与分を申し立てなかったり、妹側の対応はとにかく不思議でした。
終始消極的態度を貫くことによって、兄である相談者に抵抗しようとしたのかもしれません。
審判で不動産の売却は形式競売になりましたので、実際に遺産を分割できて最終解決するまでさらに時間がかかりることになりました。
兄弟の仲の問題であるとはいえ、相談者にはお気の毒な事案でした。