相続コラム | 神戸相続弁護士 福田法律事務所

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誰もが取り得る相続税の節約方法

平成27年に相続税法が改正されたのを機に、相続税の節税に注目が集まっています。

法規制が一層厳しくなり、相続税の節税にもさらなる工夫が求められるようになりました。

相続で受け取る財産を少しでも手元に残したい方に、実行がしやすく一般的な相続に関する節税方法をご紹介します。

ただし、税法上の特例は頻繁に変更になります。本記事は作成時点の情報ですので、実際に対策を実行する際には最新の情報を確認するようにしてください。

「生前贈与」は相続税節税の王道

相続税は、基本的に被相続人が亡くなった時の遺産にかかる税です。ですので生前に遺産を少なくしておけば、相続税も基本的には少なくなります。

とはいえ、単に生前に散財して財産を減らすのでは相続人に渡らないため、相続対策にはなりません。そこで「生前贈与」が相続税節税の王道となります。

相続税の節税効果が高い「生前贈与」にはさまざまな種類があります。

暦年贈与

被相続人から相続人に対し毎年連続して贈与を続けることを「暦年贈与」といい、1人あたり年間で110万円までなら課税対象外となります。贈与税の申告も不要です。

相続開始後に財産を相続するより、生前のうちから非課税枠で少しずつ贈与を続けた方が手元に残る金額が大きくなります。

ただ、定期的に同じ金額を支払い続けていると「定期金」とみなされ高額な贈与税を取られる可能性があるため、金額を変動させたり、贈与財産の種類を変えたりするなどの工夫があればなお良いでしょう。

できるだけ早い段階で、計画的に贈与をすることが大切です。

夫婦間贈与の特例

結婚して20年以上の夫婦なら、居住用不動産またはその取得資金の贈与が行われた場合、最高で2000万円まで課税価格から控除されます。これは相続開始の3年以内の贈与であっても相続財産には加算されません。

この特例が適用されるには次の条件を満たす必要があります。

①婚姻期間が20年以上(内縁関係は対象外)
②贈与財産が、国内にある居住用不動産または居住用不動産の購入資金であること
③贈与を受けた翌年3月15日までに受贈者がその居住用不動産に継続して居住すること。
④同じ配偶者から一度きりの贈与であること
⑤以下の必要書類を提出し贈与税の申告を行うこと
 ・贈与を受けた日から10日を経過した日以降に作成された戸籍謄本または抄本
 ・戸籍の附票の写し
 ・贈与により取得した居住用不動産の登記事項証明書
 ・すでに当該不動産に居住している場合は住民票の写し

教育資金贈与制度

祖父母や父母が30歳未満の孫や子に教育資金を一括で贈与する場合、1500万円までなら贈与税が非課税となります。

通常の贈与税の非課税枠は110万円なのに対し、教育資金一括贈与ならその10倍以上の金額が非課税になるので、相続税の節税効果も高いと言えます。

具体的には、銀行や信託銀行などの金融機関を通じて非課税申告書を税務署に提出し、金融機関によって教育資金に使用したかどうか領収書を見てチェックし、その後に子や孫の口座に教育資金が支払われます。

なお、相続開始前3年以内の贈与財産に該当しないため、たとえ受贈者が30歳に達する前に贈与者が死亡しても相続税は課税されません。

結婚・子育て資金贈与

祖父母または父母が20~50歳未満の子や孫に対して、1000万円までなら贈与税が非課税となります。

教育資金一括贈与制度と同様で、金融機関に専用の口座を開設し、支払いを受けるために領収書などの提出が求められます。

ただし、贈与者が50歳に達する前に死亡し、なおかつ口座に残高があった場合、贈与または遺贈により取得したことになり相続税が発生するので注意が必要です。

住宅取得資金贈与の特例

祖父母や父母といった直系尊属から20歳以上の受贈者に対し、居住用家屋の購入・増改築のための資金贈与をする場合、最大で1000万円まで非課税となります。

ただし、この特例が適用されるには次のような条件が求められます。

・贈与者は直系尊属のみ
・受贈者は贈与された年の1月1日の時点で20歳以上
・受贈者が贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下
・受贈者が国内に居住している
・贈与を受けた翌年3月15日までに当該家屋を新築または増改築を行い、居住する予定である
・2023年12月31日までの贈与

相続時精算課税制度

65歳以上の親が20歳以上の子(子が死亡した場合は孫)に贈与する際、2500万円までなら非課税となります。ただ、相続の際に精算して不足分を支払わなければなりません(反対に、払いすぎた場合は還付してもえます)。

後の精算があるので相続税の節税にはならないように見えるかもしれませんが、実際には資産の増加を抑えられるので、相続時の課税対象額が減るので節税効果が全くないわけではありません。

不動産を購入・活用して節税

節税対策として不動産の活用は欠かせません。不動産を所有している方なら、ぜひチェックしておきましょう。

不動産の購入

現金を相続するとそのまま相続税が課税されますが、そのお金で不動産を購入すれば評価額が下がり、相続税の節税につながります。

相続税の計算方法は、土地と建物で異なり、土地は路線価方式等で時価の8割程度、建物は固定資産税評価額で時価の7割程度までで計算されるのが一般的です。

例えば土地が6000万円、建物が4000万円の不動産を購入した場合、土地の時価は4800万円、建物の固定資産税評価額が2800万円になるので、課税対象額が合計で7600万円となります。

総額1億円をそのまま相続するよりも、不動産を購入した方が節税になるのです。

空き地にアパートを建てて賃貸経営

所有している土地が空き地になっている場合、アパートを建てた方が節税効果が高くなります。

「自宅ではなく、賃貸アパートでなければだめなのか」と思われるかもしれませんが、一般的に賃貸アパートの評価額は自宅や別荘よりも低い傾向があります。評価額が下がることで課税対象額が減り、相続税対策につながるのです。

また、アパートなら後述する小規模宅地等の減額特例も適用されるので、200㎡までなら50%の評価減額を受けられます。

デメリットとしては、最終的な処分が難しいことと、アパート経営がうまくいかず、空室が増えて収支がマイナスになる可能性がある点が挙げられます。

小規模宅地等の減額特例

相続開始直前まで被相続人や被相続人と生計を共にしていた人の住居、事業用店舗として使用されていた宅地を対象に、宅地の評価額を最大で8割減額される「小規模宅地等の減額特例」が適用されます。

この特例を適用するためには

・330㎡までの敷地と自宅
・被相続人と相続人が生計を一にしている
・相続税の申告期限までに宅地の遺産分割を済ませていること

などがあります。

生命保険金を活用して節税対策

生命保険は自己や病気などで家族を失い、収入が途絶えた時の保障というイメージがありますが、相続税の節税対策にもなります。

死亡保険金自体は「みなし相続財産」として相続税が課税されますが、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。

つまり、通常の相続でお金を受け取るよりも、生命保険金として受け取った方が節税になるのです。

例えば、死亡保険金5000万円で、相続人が妻と子ども2人の場合、

500万円×法定相続人3人=1500万円 

が控除され、相続税の課税対象額は3500万円となります。

墓地・墓石等を生前に購入

墓地、墓石、仏壇等は非課税財産にあたります。ただし、被相続人が生前に購入した場合に限定されており、被相続人の死後に購入した場合は課税対象となるので注意が必要です。

購入を検討中でしたら早めに済ませておくことをおすすめします。

まとめ

一般的に、金銭から物に換える方が課税価格は低くなります。相続税法上の財産の評価は「時価」といって、実際の取引価格より低く評価される傾向にあるためです。

一方で、株式や宝石のように物からお金に換えるときは手数料がかかったり、予想外に低額になったり、思うように売却できないケースが多く見られます。節税と換金は切っても切れない関係ともいえます。

ここでご紹介したように相続税の節税方法はたくさんあり、かつ複雑なものも多いです。今後、相続税の節税を検討している方は、相続税に詳しいファイナンシャルプランナーなどに相談してみることをおすすめします。相談者に合った節税方法を提案できるので、お気軽にご相談ください。

このコラムの監修者

  • 福田大祐弁護士
  • 福田法律事務所

    福田 大祐弁護士(兵庫県弁護士会)

    神戸市市出身。福田法律事務所の代表弁護士を務める。トラブルを抱える依頼者に寄り添い、その精神的負担を軽減することを究極の目的としている。

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