相続コラム | 福田法律事務所

神戸の相続に強い 福田法律事務所
相談料0円 078-366-6760までお気軽にお電話ください(受付時間 平日9:00〜17:00) WEBでのご相談は24時間受付中
相続コラム画像

相続放棄のメリットとデメリット~簡単なようで難しい相続放棄

相続放棄とは、「本来なら被相続人から受け継ぐ権利・義務の全てを放棄する」手続きです。一般的には、相続財産に借金や負債が含まれている場合に選択されます。「親の借金を引き継ぎたくないから」という理由で、相続放棄を選択される方は少なくありません。しかし、相続放棄にはデメリットも存在します。そこで、相続放棄におけるメリットとデメリットを整理してみましょう。

相続放棄のメリットとは?

はじめに述べたように、相続放棄は「借金、負債」を放棄できるというメリットがあります。もう少し具体的にいうと、下記2点がメリットといえるでしょう。

相続におけるマイナスの財産を引き継がずにすむ

マイナスの財産には、一般的な金融機関からの融資のほかに以下のようなものが含まれます。
「住宅ローンの残高」
「税金など(公租公課)」
「滞納している家賃」
「不法行為に対する損害賠償金」
「保証人としての地位」
このように、いわゆる単純な借金だけが対象ではないことを認識しておきましょう。

相続人同士の争いから解放される

相続放棄は「相続人としての地位を完全に放棄する」ことです。これは「はじめから相続人ではなかった」ときと同じ状態になります。そのため、相続財産に関する相続人同士の揉め事・争いから離れることができ、わずらわしい話し合いからも解放されるわけです。

例え少しばかりの財産があったとしても、「揉め事に関わりたくない」という理由で相続放棄を選択するケースもあります。借金の問題や親族間の争いは、想像以上に精神的な負担になりますからね。相続放棄のメリットは、「精神的な負担からの解放」と考えても良いのかもしれません。

相続放棄のデメリットとは?

次に、デメリットについて解説します。相続放棄のデメリットは、主に以下3つに集約されるでしょう。

プラスの財産の一切を引き継げない

前述したとおり、相続放棄は「はじめから相続人ではなかった」状態と同じです。そのため、わずかなプラス分の財産も引き継ぐことができません。また、相続人の所有物を勝手に処分・持ち出すことも不可能です。親(被相続人)と同居している場合は、その家から退去しなければならない可能性も考えられます。

ちなみに、相続財産の金額自体が大きい場合で、全体としてプラスになるのかマイナスになるのかわからない場合は「限定承認」という手続きを選択することもあります。限定承認は「相続財産がマイナスにならない範囲で引き継ぐ」手続きです。ただし、これには詳細な財産調査が必要で、専門家への依頼が必須となるでしょう。

一度選択したら撤回できない

相続放棄は、裁判所に申し立て、受理されることで成立します。一旦受理されると、原則として「撤回」は不可能です。また、相続放棄を選択するかどうか考える期間内(相続が開始されてから3ヶ月の”熟慮期間”)であっても同じです。これは、民法第919条1項に記載されています。

“第919条 (相続の承認及び放棄の撤回及び取消し)
1.相続の承認及び放棄は、第915条第一項の期間内でも、撤回することができない。”

“第915条 (相続の承認又は放棄をすべき期間)
1.相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。”

ただし、法律上は家庭裁判所に対し、相続放棄の撤回を申し立てが可能なケースもあります。それは以下のような場合です。

・詐欺または脅迫による場合
・未成年者が法定代理人の同意を得ないで相続放棄申述をした場合
・後見監督人がある場合、被後見人もしくは後見人がその同意を得ないで相続放棄申述をした場合
・成年被後見人本人が相続放棄申述をした場合
・被補佐人が補佐人の同意を得ないで相続放棄申述した場合

いずれもやや特殊なケースであり、通常は「一度選択したら撤回できない」と考えておくべきといえるでしょう。

相続順位が変動して混乱のもとになる可能性がある

ある人が相続放棄を選択したからといって、相続財産が消失するわけではありません。相続順位に従って「別の相続人」へと移っていくのです。相続順位は1位が「子」、2位が「両親・祖父母」、3位が「兄弟姉妹」という具合に決められています。1位のAさんが親の借金を相続放棄すると、2位の祖父母へ相続が回っていき、祖父母も放棄すると伯父や叔母へ…という風に借金が親族内を巡ってしまうのです。

簡単なようで難しい相続放棄

このように相続放棄は「借金やトラブルから解放される」とともに、「新たな火種を親族内にまき散らす」可能性も孕んでいます。親族内でトラブルを発生させないためにも、慎重に選択していきましょう。ただし、相続放棄の選択は「相続開始から3か月以内」と期限が決められています。また、弁護士への相談は早ければ早いほど、後々の手続きがスムーズになります。期間内に最適な結論を出すためにも、早めの相談を心がけてみてはいかがでしょうか。

その他の相続コラム

騙されて遺産分割協議書に押印してしまった

1.騙されて遺産分割協議書に押印をした場合でも遺産分割協議をやり直すことは可能? 騙されて遺産分割協議書に押印してしまった場合でも、遺産協議分割書を無効や取り消しにすることができます。 そもそも、騙されるケースには、 詐欺や強迫によって不本意な遺産分割協議書に押印してしまったケース 遺産分割協議書が偽造されてしまったケース ...

これから作成する遺言の遺留分を放棄させたい

1.遺言で遺留分を放棄させることはできない 遺留分とは、遺言に従うと相続財産がない法定相続人にも最低限保障されている相続分のようなものです。たとえば妻と子ども2人が法定相続人となっているときに、遺言で妻だけに相続させる旨が記載されていたとしても、他の法定相続人である子ども2人は遺留分を主張して相続財産の一部を受け取ることができるのです。 他方,他の法...

借地上の建物を相続した場合の手続きや注意点とは?

相続で建物や土地を受け継ぐのは、珍しい事ではありません。しかし、仮に「建物は自分のものだが土地は借りているもの」だったとしたらどうでしょうか。つまり、受け継いだ実家の土地だけが借地だった、というようなケースです。こういった「借地上の建物」を相続したときの手続きや注意点について解説します。 「借地+自己所有の建物」を相続したらどうなる? 相続の対象...

遺産分割後に新たに相続人が判明した場合

遺産分割後に相続人が増えた場合は、どのような手続きをすることになるのでしょうか?今回は遺産分割協議を終えた場合と、既に遺産分割をしてしまった場合に分けて解説していきます。 1.遺産分割協議後に新たに相続人が判明した場合 1-1.遺産分割協議をやり直す必要があります すべての相続人は、いつでも遺産分割協議をして遺産分割ができます(民法第907条)。そ...

相続・遺産分割に関するお悩みは、
神戸の相続対策に強い弁護士に お気軽にご相談ください。
初回相談無料!お電話にてご連絡ください
078-366-6760までお気軽にお電話ください(受付時間 平日9:00〜17:00) メールでのご相談予約は24時間受付中