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親の借金を肩代わりしないためにできること

テレビを始めとした各種メディアで、親の借金を肩代わりしたという逸話を耳にすることがあります。これは殆どが「美談」として語られますよね。しかし、自分の身に親の借金が降りかかってきたとしたらどうでしょう。

借金の肩代わりと親子関係は切り離して考える

まず、大前提として親子関係は借金の肩代わりを義務付けるものではない、ということを理解してください。「借金」とは基本的に、「債権者」「債務者」「保証人」の3者間で片づけられる問題です。つまり、債務者又は保証人のいずれにも該当していなければ、たとえ子供であったとしても親の借金を返す必要はありません。

また、単なる「保証人」なのか「連帯保証人」なのかによっても肩代わりの義務は変わってきます。連帯保証人であれば「肩代わり」の義務が発生してしまいます。しかし、単に親の保証人である場合は、借金の肩代わりを迫られても拒否することができます。これを「催告の抗弁」や「検索の抗弁」と呼びます。

・催告の抗弁…債権者に対して「まずは親に請求してください」と突っぱねる権利
・検索の抗弁…主債務者の財産に強制執行をするよう主張できる権利

また、保証人が複数存在する場合は、借金額を保証人の数で割った金額を肩代わりすればよく、全額返済を行う必要はありません。

しかし、仮に親が借金を残したまま他界してしまったらどうでしょうか。通常は借金も含めて「相続」が行われるため、肩代わりする必要がでてきます。ただし、これについても回避する方法があります。方法は主に2つです。

相続放棄を選択する

相続放棄は、「借金を含むすべての遺産を受け取らない」という方法です。民法の939条に条文があります。

“第939条(相続の放棄の効力)
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。”

例えば親の借金が500万円のほかに、家や土地といった財産があったとしても、これら全ての相続を放棄するのです。そのため、プラス分とマイナス分(借金額)を総合して明らかにマイナスのほうが大きいと判断できる場合に選択すべきでしょう。また、原則として相続開始から3か月以内に手続きを行う必要があり、早急な判断と手続きが求められます。

限定承認を選択する

相続放棄は「相続人ではない」とみなされることにより一切の相続を放棄する方法ですが、限定承認はやや事情が異なります。限定承認とは「借金額がいくらかわからないので、借金額がプラス分を超えない範囲で相続する」という制度です。「そんな都合が良いことができるの?」と思われるかもしれませんが、民法でしっかりと規定されています。

“第922条(限定承認)
相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。”

例えば、親の遺したプラスの遺産が不動産や預貯金などで2000万相当あるとしましょう。一方、借金があることは判明しているものの、その総額に見当がつきません。500万円分は確定しているものの、その総額は2000万円~3000万円になるかもしれない。このようなときは限定承認を選択し、以下のように処理します。

・借金2000万円以下の場合は残された遺産分で相殺し、残りを相続する
・2000万円を超える借金があった場合は2000万円分まで相続し、プラス分を超える借金は相続しない⇒プラスマイナスゼロ

このように、最悪でもプラスマイナスゼロになるような相続を可能にするのが限定承認です。
こちらも相続放棄と同様、相続開始から3か月以内に手続きする必要があります。また、限定承認をする場合は、相続人全員で限定承認をする必要があるので、相続人全員の足並みを揃えなければなりません。

親の借金を肩代わりしないために

ここまでの内容をまとめると、親が生きている状態であれば「連帯保証人」にならないことが重要です。
また、親が他界して相続が発生するのであれば「相続放棄」もしくは「限定承認」を行うことで、肩代わりは回避できます。厳密に言えば限定承認では一部肩代わりをすることになりますが、親の遺産で相殺できる範囲に限られるため、自分の身銭を切る必要はないわけです。

ただし、相続放棄や限定承認にはそれぞれに注意点があります。例えば相続放棄では、生命保険の受取人に指定されている場合は、通常は保険金の受取ができます。しかし、医療保険の受取人になっていると相続放棄できない場合があります。
このように様々な遺産を整理したうえで総合的に判断する必要があり、素人では判断がつきにくいケースがあるのです。相続放棄や限定承認で親の借金の肩代わりを回避するなら、まずは相続に強い弁護士に相談を持ち掛けるべきでしょう。

このコラムの監修者

  • 福田大祐弁護士
  • 福田法律事務所

    福田 大祐弁護士(兵庫県弁護士会)

    神戸市市出身。福田法律事務所の代表弁護士を務める。トラブルを抱える依頼者に寄り添い、その精神的負担を軽減することを究極の目的としている。

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