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遺産分割調停・審判について知りたい

遺産分割調停とは

遺産分割の基本

遺産分割とは何でしょうか。もし相続人が1名の場合、その人が全遺産を相続します。したがって、遺産は分割する必要がありません。
相続人が複数いる(あわせて共同相続人といいます)場合、共同相続人の間で話し合い、遺産分割をします(907条1項)。この話し合いが遺産分割協議です。
共同相続人の間で遺産分割の話し合いがまとまれば、遺産分割協議書を作成して、それに基づいて各自が遺産を取得して終了です。
 
話し合っても協議が整わない場合に、家庭裁判所に分割の請求をすることができます(907条2項)。これが遺産分割調停です。
ちなみにわが国の年間死亡者は約145万人、裁判所の1年間の新規遺産分割調停受付件数が約1万4000件ですので、ざっくり100件に1件の相続が、遺産分割調停に持ち込まれていることになります。

調停は「裁判所で行う協議」

遺産分割調停は家庭裁判所で行いますが、一般にイメージする「裁判」ではありません。
裁判は、お互いが主張とそれを裏付ける証拠をぶつけ合い、第三者である裁判官がどちらの言い分を認めるかを判断します。裁判は「対決型」の手続です。
調停は、当事者それぞれが希望する分割方法を述べつつ、全員で合意できる落としどころを探る手続です。裁判所で行う話し合いであり,「協議型」の手続であるといえます。

調停で相手と顔を合わせることはない

調停が「対決型」ではないといっても、話がこじれている相手と顔を合わせるのは気まずいものです。顔を合わせて話し合っていると、ヒートアップする可能性もあるでしょう。
ですので、協議がスムーズにいくよう、調停ではお互いが顔を合わせることは(基本的に)ないようにできています。
 
調停は、4~6人掛けのテーブルと椅子だけの、小部屋で行われるのが普通です。テーブルの一方に2名の調停委員(いずれも40代から70代の男女のペアが多い)が座り、当事者はその調停委員の向かいに座って話をします。
このとき調停委員に向かって話をする当事者は、1名だけです。他の当事者は、話が終わるまで別の待機室で待って、その後入れ替わります。
この待機室も、意見が対立する当事者同士は部屋を分けられています。
このようにして当事者が交替に自分の希望を述べ、調停委員がそれを調整して全員の合意を目指します。直接相手と話し合うことはありませんが、調停委員を通じて「協議」するのです。

遺産分割調停では何を話し合うか

遺産分割は以下の内容を確認していきます。おおむね1から3の順番に確認し、最後に4に話を進めます。

1相続人は誰か

誰が相続人であるかを確定させます。
遺産分割調停は、相続人全員が参加しなければ進めることができません。
ですので、被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍を確認して、そこから相続人をすべて割り出して確定していく必要があります。
これは話し合いの前提ですので、相続人が誰かをめぐって調停が紛糾することはまずありません。

2遺産の範囲・評価

次に、遺産分割の対象が何かを確定させます。
例えば、本当は被相続人のお金なのに、口座の名義が被相続人になっていないもの(いわゆる名義預金)がある場合があります。
こういったものが遺産かどうか、分割の対象に含めるか、話し合いで確認してきます。
また、遺産の金銭的評価(評価額)を確定させます。
 
遺産が預金であれば、その金額は残高から明らかですが、不動産の場合はその金額(評価額)は必ずしも明らかではありません。
不動産や貴金属・美術品のように、評価しなければ具体的な金額が決まらない者は、話し合いで評価を決めます。

3相続分に影響する事実

そのほか、相続人の一人が生前にまとまった金額の援助を受けていた場合(特別受益)や、長年家業を手伝ったり看取るまで献身的な介護をしていた相続人がいる場合(寄与分)は、それを踏まえた相続人各自の相続分の調整を話し合います。

4誰がどの遺産を取得するか

最終的に、誰がどの財産を取得するかを決めます。残っている遺産をそれぞれに分けるだけでうまくいかない場合は、遺産を売却してその代金を分けたり(換価分割)、遺産を取得する代わりに本人の財産を拠出させたり(代償分割)することもあります。
このようにして、最終的に遺産分割の内容が決まっていきます。

調停はどのように進んでいくか

遺産分割調停1回の期日の所要時間は、だいたい2時間から3時間です。
相続人1人が20分から30分程度話して交代するのを数回繰り返して、1回の期日が終わります。調停委員から、次回までに用意すべき資料や回答すべき提案を宿題として与えられることが多いです。
次回の期日までの期間は、だいたい1~2か月のことが多いです。
なお司法統計によると、およそ3分の2の事件は1年以内に終了しています。
 
全員が合意できる遺産分割案ができれば調停が成立し、終了します。
調停が成立すれば裁判所が調停調書を作成しますので、それを受取ると各自で相続登記や金融機関の相続手続ができるようになります。

調停で話し合いがつかないとどうなるか

調停はあくまで「話し合い」ですので、誰か1人でも最後まで同意しない相続人がいる場合は、遺産分割調停は不成立になります。
遺産分割調停が不成立になった場合、今までの話し合いが無駄になってしまうかというと、そうではありません。調停不成立の場合でもそこで手続は終わらず,遺産分割審判に移行します。
遺産分割審判は、審判官(裁判官)が遺産の種類や性質、各相続人の属性や生活状況など一切の事情を考慮して、最終的に遺産分割内容を決めるものです。
この遺産分割審判には相続人の同意が不要なので、いわば判決のようなものであるといえます。
 
つまり、遺産分割調停は話し合いですが、話がつかなかったとしても、最後は審判という形で遺産分割の結論が出されるのです。
遺産分割調停の話し合いの中で争点や証拠がよく整理されていれば、遺産分割審判は調停ほど長い時間がかからないのが普通です。

遺産分割調停を申し立てたい場合

遺産分割調停を申し立てたい場合、戸籍を集めます。被相続人の戸籍と、その相続人が誰かを証明する(その他に相続人がいないことを証明する)ために必要な戸籍全てです。
遺産分割調停申立書を作成します。申立をする相続人が「申立人」ですが、意見を同じくする相続人は複数で一緒に「申立人」になることができます。
申立書に遺産目録が必要になりますが、すべての遺産が分からない場合はわかる範囲の遺産を記入するだけで大丈夫です。
 
遺産目録に記載した財産の裏付けとなる資料(登記の謄本や預金の残高証明など)のコピーを添付します。これも入手できる範囲のものだけで大丈夫です。
家庭裁判所に調停申立書を提出します。提出先は、申立ての相手となる相続人のうちの、誰か1人(選べる)の住所を管轄する家庭裁判所です。

遺産分割調停を申し立てられた場合

他の相続人が「申立人」となって遺産分割調停が申し立てられたことは、裁判所から届く郵便で知らされることになります。申し立てられた側の相続人は、遺産分割調停において「相手方」と呼ばれます。
届いた郵便の封を開けて、まず調停期日呼出状を見ます。呼び出しの日時と場所が書いてあるはずです。それが第1回期日の日時・場所になります。
第1回期日に出頭すれば、次回の調停期日はこちらの都合も聞いて決めてくれますが、第1回期日は「相手方」の都合を聞いて決めません。
手続についての質問があるときや、第1回に都合で出頭できないときは、調停期日呼出状にある裁判所書記官宛に電話すれば、わりと親切に対応してもらえます。
また、事前アンケートのような照会書(回答書)が同封されています。
 
調停申立てがされる前に話し合いはしたか、申し立てられた遺産の内容は正確か、取得したいと考えている財産はどれか、などの質問が書かれています。
この照会書の回答を、第1回期日までに裁判所宛に郵送します。回答しなくても不利益があるわけではありませんが、回答した方が期日の進行はスムーズになります。

調停・審判に弁護士をつけるとどうなるか

弁護士が調停の代理人となると、まず自分で調停期日に出頭する必要はなくなります(弁護士と一緒に出頭することももちろんできます)
遺産分割調停・審判に弁護士をつけると、争点や証拠の整理がしやすく、こちらの主張をうまく法的に構成して調停委員や審判官に適切に伝えることができます。
したがって、必ずとは言えませんが、遺産分割を早期かつ有利に導くことができることが多いです。

このコラムの監修者

  • 福田大祐弁護士
  • 福田法律事務所

    福田 大祐弁護士(兵庫県弁護士会)

    神戸市市出身。福田法律事務所の代表弁護士を務める。トラブルを抱える依頼者に寄り添い、その精神的負担を軽減することを究極の目的としている。

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