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預金が勝手に下ろされている

相続が開始し、いざ被相続人の財産を調べようと預金口座の取引履歴を調べてみると、どうみても本人によるものと思えない死亡直前の預金引き出しが見つかることがあります。

死亡日の1週間ほど前から、毎日50万円(1日の引き出し限度額)ずつATM経由で引き出されているケースなどが典型例です。

誰が引き出したのか?

まず、引き出した相続人が自分が引き出したことをあっさり認めれば問題ないですが、自分は知らない、関与していないといって引き出しを認めないことがあります。

その場合は、

①本人が自分で引き出せる状態になかったこと

②当該相続人がキャッシュカードを保管していたこと

③他の相続人が本人財産の管理に関与していなかったこと、

などの間接事実を積み上げて当該相続人が引き出したことを証明していきます。

使途の証明

また、引き出した相続人が、引き出したことは認めるものの、本人の承諾を得て本人のために使ったと主張することが考えられます。

このような主張がされたときは、使途を説明してもらい、その裏付けとなる領収書類を出してもらうことが必須です。

使途が入院代のようにすぐに支払われて領収金額も明確なものであればこちらも納得できますが、支払う必要があるのか疑問があったり、金額が不必要に高額なときは、より詳細な説明を求める必要があります。

合理的な説明ができない金額は、当該相続人が自分のために費消したことが疑われます。

裁判の長期化

こういった預金引き出し問題が持ち上がったときは、まず相続人間で話し合い、それでも決着がつかないときは家庭裁判所の遺産分割調停の中で話し合います。
ところが、遺産分割調停でも話し合いがつかなかった場合、この問題は遺産分割調停とは別に地方裁判所(または簡易裁判所)に不当利得返還請求あるいは損害賠償請求の訴訟を提起する必要があります。
家庭裁判所の遺産分割調停・審判は、あくまで相続開始時の遺産を分割する手続であって、生前に引き出された預金について終局的に判断する権限がないからです。

したがって、この問題に決着がつかないと、最終的な解決は長引くことになりますので、できれば相続人間の話し合いか遺産分割調停の中で合意することが望ましいといえます。

預金・不動産・保険・株式に関する記事の一覧はこちら

https://sou-zoku.jp/column_cat/tyokin-hudousan-hoken-kabushiki/

このコラムの監修者

  • 福田大祐弁護士
  • 福田法律事務所

    福田 大祐弁護士(兵庫県弁護士会)

    神戸市市出身。福田法律事務所の代表弁護士を務める。トラブルを抱える依頼者に寄り添い、その精神的負担を軽減することを究極の目的としている。

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