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遺留分減殺請求権とは?(1)~どんな場合に請求できる?

法定相続人がそれぞれ財産を相続するとき、「取り分」についてトラブルが発生しがちです。
この「取り分」には最低保証額のような性質をもつ取り決めがあり、これを「遺留分」と呼びます。ここでは、どのような場合にどういった人が遺留分を請求できるかについて解説します。

遺留分と遺留分減殺請求権

法定相続人がそれぞれ財産を相続するとき、「取り分」についてトラブルが発生しがちです。
一般的に法律で決められた取り分(法定相続分)よりも遺言のほうが優先されるため、相続人の間で相続財産の格差が生じ、揉め事が起こるわけですね。
ただし、この「取り分」には最低保証額のような性質の「遺留分」が認められており、民法第1028条で定められています。

“民法第1028条 (遺留分の帰属及びその割合)
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一”

ここで注意したいのは「遺留分=法定相続分ではない」ということです。法定相続分はあくまでも「法律で相続人と定められている人が受け取れる目安」です。
遺言や遺贈が無い場合に、どういった割合で分割するかの目安として使われます。そのため、相続人同士の合意があれば、割合は自由です。一方、遺留分は「他者に侵害されない最低ライン」であり、侵害されたときには取り戻す権利があります。これが「遺留分減殺請求権」です。

“民法第1031条 (遺贈又は贈与の減殺請求)
遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。”

このように相続財産は、民法によって厳格に最低ラインが決められており、最低ラインに満たない部分については他者に請求する(取り戻す)権利があります。

遺留分を請求できるのはどのような場合か?

遺留分を請求できる=遺留分減殺請求権があるのは、遺留分が侵害(最低限の取り分よりも少ない、もしくは相続財産が無い)されているときです。具体的には、以下のような場合が該当します。

・遺言や遺贈によって特定の人間に財産が渡り、遺留分が侵害されているとき
・生前贈与で遺留分が侵害されているとき
・死因贈与で遺留分が侵害されているとき

ちなみに生前贈与の場合は、原則的として「相続開始前1年間」に行われたものが対象となります。ただし、他の相続人の遺留分を侵害することを知っていながら生前贈与を行った場合には、1年間よりも前に行われたものついても請求が可能です。

“第1030条 (遺留分の算定)
贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。”

遺留分を請求できるのはどのような人?

遺留分を請求できる人=遺留分権利者になれるのは「兄弟姉妹以外」の法定相続人です。
これは、前述した通り民法第1028条で決められています。

例えば4人兄弟の末っ子で、なおかつ3人の子供(C・D・Eさん)を持つAさんが亡くなったとしましょう。
このとき、遺留分権利者は以下の通りです。
・妻Bさん
・長男Cさん
・次男Dさん
・娘Eさん
・Aさんのご両親
・C・D・Eさんのお子さん(Aさんの孫)

したがって、遺留分権利者は以下のようにまとめられます。

1.兄弟姉妹を除く法定相続人(子・直系尊属(祖父母や養父母など)・配偶者)
2.兄弟姉妹を除く法定相続人の代襲相続人(Aさんの孫)
3.上記遺留分権利者からの承継人

遺留分に関する相談は必ず弁護士へ

このように遺留分は、やや複雑な制度である一方、対象者であれば誰もが請求できるものです。ただし、遺留分の請求は、事実関係を整理したうえでしっかりと請求分を計算する必要があります。もし「贈与や遺贈によって自分の取り分が少ない」と感じた場合には、ぜひ相続に強い弁護士へ相談してみてください。

このコラムの監修者

  • 福田大祐弁護士
  • 福田法律事務所

    福田 大祐弁護士(兵庫県弁護士会)

    神戸市市出身。福田法律事務所の代表弁護士を務める。トラブルを抱える依頼者に寄り添い、その精神的負担を軽減することを究極の目的としている。

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