相続コラム | 福田法律事務所

神戸の相続に強い 福田法律事務所
相談料0円 078-366-6760までお気軽にお電話ください(受付時間 平日9:00〜17:00) WEBでのご相談は24時間受付中

新型コロナウイルス対策「オンライン面談・電話相談 実施中」

相続コラム画像

特別受益と寄与分の違い

 

遺産分割において、「特別受益」と「寄与分」について相続人同士で揉めているという相談を受けることがあります。どちらも遺産分割の不平等を解消することに変わりはありませんが、その性質、相続額の算出方法は大きく異なります。

 

 

特別受益は「遺産の前払い」

特別受益は、特定の相続人が被相続人か遺産の先渡しのような遺贈または贈与を受けることをいいます。

 

例えば、相続人のうちの一人が、被相続人から生前、事業を開始するための開業資金、結婚の支度金などを受け取っていた場合などがこれにあたり、その遺贈または贈与の価額も含めた総額を相続財産とみなします。そして、その相続財産をもとに各相続人の相続額を算出し、当該相続人がすでに受けている遺贈ないし贈与の額を控除した金額が実際の相続財産となります。

 

つまり、「特定の相続人が、遺産を先に受け取っているもの」とみなすので、相続分の計算する際には贈与の金額も加算したうえで算出します。これを「特別受益の持戻し」といいます。持戻す財産は「婚姻もしくは養子縁組のための贈与」と「生計の資本としての贈与」が該当するとされています。

 

 

寄与分は寄与分額を先に控除する

一方、寄与分は被相続人の財産の維持または増加について特別な寄与をした相続人がいる場合に、その相続人に対して法定相続分よりも多く財産を取得させることです。ゆえに、寄与分は、特別受益のような「持戻し」はありません。

 

寄与行為には、次の5種類の類型に大別されます

①家事従事型…家業を手伝うなど、被相続人が営んでいた事業に労務を提供

②財産給付型…資金援助など、被相続人の事業に対して行った財産上の給付

③療養看護型…介護など、被相続人に対して療養看護を行うこと

④扶養型…扶養を要する状態の被相続人を扶養に入れること

⑤財産管理型…被相続人の財産を管理し、管理費用の負担を当該相続人が行い、財産の管理・維持をしたこと

 

それぞれの類型によって、寄与分の算定方法が異なります。

 

特別受益の計算方法

特別受益は、遺贈または贈与した財産も遺産に加算してから遺産分割を行います。

 

例えば、夫Aが死亡し、Aの遺産5000万円を妻Bと長男C、長女Dが相続するとします。

法定相続分で算出するとB2500万円、CDはそれぞれ1250万円を相続しますが、生前、Cに住宅購入資金として1000万円、Dに結婚の支度金として400万円を贈与していた場合、Aの相続財産は総額で

 

5000万円+1000万円+400万円=6400万円 となります。

 

法定相続分をもとに各相続人の相続額を算出するとB3200万円、CD1600万円です。CDはそこから遺贈ないし贈与を受けた金額を控除します。

C1000万円を持戻すので 1600万円-1000万円=600万円

D400万円を持戻すので 1600万円-400万円=1200万円 となります。

 

 

 

寄与分の計算方法

寄与分は、「被相続人の財産の維持増加に寄与した相続人に対して相続分を多くする」ことを目的としています。遺産分割よりも前に寄与分を算出して相続分の不平等を解消させます。

 

例えば、夫Aが死亡し、Aの遺産5000万円を妻Bと長男C、長女Dが相続するとします。

Aが生前、認知症と持病により療養看護が必要な状態となり、B2年間にわたって献身的に介護を行った場合の寄与分を計算してみましょう。

 

Bの寄与行為は上記③の「療養看護型」にあたり、

・相続人が利益を得ていないこと

・継続的に療養看護したこと

・専従的に療養看護したこと

・相続人と被相続人との身分関係に照らし通常期待される程度を超えた療養看護があったこと

 

などの事情を考慮して寄与分を計算します。計算式は

 

ヘルパー・看護師等の職業的付添人の日当額×療養看護日数×裁量的割合

 

日当は厚生労働省が定める介護報酬額を参考にして決めます。裁量的割合は、被相続人との身分関係、被相続人の状態(寝たきり、要介護度など)、専従性の程度(同居、別居など)療養看護に従事するに至った理由等を考慮されるため、個々の事情によって数値は異なります。

 

かりに日当が6,500円、裁量的割合を0.6として上記の計算式をあてはめるとBの寄与分は

 

日当6,500円×療養日数2年(365日×2年)×0.6=約285万円

 

Aの遺産5000万円から285万円を差し引いた4715万円が遺産総額となり、この金額をもとにBCDの相続人が遺産分割協議を行うことになります。なお、ここで挙げた日当も裁量的割合も、参考例をご紹介するため便宜上用いた数値であり、実務ではさらに正確な数値で計算をします。

 

 

詳しい算出方法は弁護士に相談を

特別受益も寄与分も、その性質・計算方法ともに全く異なるものです。ただ、どちらも計算が難しく、相続人同士で決めるのは限界があります。実際に、特別受益や寄与分をめぐって相続人同士が対立しているときは、法律に詳しい弁護士に相談した方が解決へとつながりやすくなるでしょう。

その他の相続コラム

相続における土地や不動産の時効取得とは?

相続財産に土地や建物が含まれるとき、問題になるケースのひとつに「時効取得」があります。聞きなれない言葉かもしれませんが、「相続財産が誰のものかはっきりしない」可能性があることから、無視できないものです。ここでは時効取得の概要と、相続において時効取得が認められるケースなどを解説します。 そもそも時効取得とは何か? 不動産の時効取得とは、土地や建物を...

再婚と相続

1 はじめに 離婚や死別した後、再婚して新しい家庭を築いている方も多いでしょう。 再婚した家庭での相続はどうなるかについて、きちんと理解していますか。 再婚した家庭の相続における基本的な知識と注意点を整理してみましょう。 2 再婚した家庭における相続人 (1)元配偶者との間に子がいて、死亡時の配偶者との間にも実子ができた場合 相続は、...

相続放棄した方が良いケース

はじめに Q:私の夫はもともと親兄弟と仲が悪く、ほとんど縁を切っているような状態でした。しかし、最近になって義父が病死したと連絡があり、葬儀に参加したのですが、その際夫は相続を放棄すると主張したのです。夫の意志は固く、すでに相続放棄の手続きを進めています。いくら不仲とはいえ、もったいないことをしていると思うのですが… 相続するかどうかは本人の自由な意...

預金が勝手に下ろされている

相続が開始し、いざ被相続人の財産を調べようと預金口座の取引履歴を調べてみると、どうみても本人によるものと思えない死亡直前の預金引き出しが見つかることがあります。 死亡日の1週間ほど前から、毎日50万円(1日の引き出し限度額)ずつATM経由で引き出されているケースなどが典型例です。 誰が引き出したのか? まず、引き出した相続人が自分が引き出したことを...

相続・遺産分割に関するお悩みは、
神戸の相続対策に強い弁護士に お気軽にご相談ください。
初回相談無料!お電話にてご連絡ください
078-366-6760までお気軽にお電話ください(受付時間 平日9:00〜17:00) メールでのご相談予約は24時間受付中