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不動産を生前贈与する手続きについて

贈与者が生きているうちに、財産を無償で受贈者に渡すことを「生前贈与」と呼びます。この生前贈与は、相続税の節税効果があることから、節税対策としてよく使用されます。しかし、不動産については、その制度内容や手続きを理解しておかないと、逆に思わぬ費用がかかることもあるため、注意が必要です。ここでは、不動産の生前贈与に必要な手続きについて解説します。

不動産の生前贈与に必要な手続きと流れ

では早速、具体的な手続きと流れについてみていきましょう。不動産の生前贈与では、以下のような手続きが必要です。

1.贈与契約書の作成

生前贈与は口約束でも成立するものですが、不動産のように金額が大きいものについては契約書を作成すべきです。不動産の場合は「不動産贈与契約書」を作成します。不動産贈与契約書では、主に以下のような事柄を記載します。

・いつ贈与するのか
・誰が誰に対して、どの不動産を贈与するのか
・登記費用や登録免許税を誰が負担するのか
・氏名および押印

ちなみに口頭での契約は取り消すことができるものの、書面による契約(贈与契約)は後から取り消すことはできません。これは民法550条に記載があります。

“第550条 (書面によらない贈与の撤回)
書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。”

2.名義変更

次は法務局に行き、該当する不動産の名義変更申請(登記申請)を行います。このとき、「贈与する不動産を管轄する法務局」で手続きを行う必要がある点に注意してください。ちなみに、名義変更申請に必要な書類は以下のとおりです。

・登記識別情報通知(登記済権利書)
・贈与者の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
・受贈者の住民票
・固定資産評価証明書
・不動産贈与契約書(登記原因証明情報)
・登記申請書

3.贈与税の申告

不動産の生前贈与では、贈与税が発生します。贈与税は、納税者自身が計算し、税務署に申請・納税を行います。贈与税の計算は、「不動産の評価額-非課税額×税率」で計算が可能です。また、非課税制度にはいくつかの方法があり、不動産では「暦年贈与」か「相続時精算課税制度」を選択するのが一般的です。

・暦年贈与
毎年110万円までの贈与に対し、贈与税が非課税(控除)になる制度を利用した贈与です。

・相続時精算課税制度
60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子・孫への生前贈与について、子・孫の選択によって利用できる制度です。贈与時に軽減された贈与税を支払い、その後の相続時に生前贈与された財産とその他の相続財産を合計した価額から計算した相続税額から、既に支払った贈与税額を差し引いて納税します。少し難しく感じるかもしれませんが、「贈与されたタイミングで一度支払い」「その後の相続で相続税額からすでに支払った分の贈与税を差し引く」と考えれば良いでしょう。また、この相続時精算課税制度では、最大2500万円の控除枠があることも見逃せません。

生前贈与に関する疑問は専門家に相談を

このように生前贈与には契約書の作成や書類の収集などが必要です。また、どの非課税を使うべきかは、ケースバイケースといえます。節税を意識しながら確実に生前贈与を行うためには、弁護士などの専門家に相談のうえ決定すべきでしょう。

このコラムの監修者

  • 福田大祐弁護士
  • 福田法律事務所

    福田 大祐弁護士(兵庫県弁護士会)

    神戸市市出身。福田法律事務所の代表弁護士を務める。トラブルを抱える依頼者に寄り添い、その精神的負担を軽減することを究極の目的としている。

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