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遺言で指名された相続人・受遺者が先に亡くなっている

1.相続するはずだった人が被相続人より先に亡くなった場合、原則としてその相続するはずだった人の子どもが代わりに相続します。

相続人となる予定の人が被相続人より先に死亡した場合、相続するはずだった人の子どもが代わりに相続することになっています(民法第887条第2項、第3項)。これを代襲相続といいます。

他方、遺贈については、遺贈を受けるはずだった人(受遺者)が先に亡くなった場合は、相続の効果はなくなると規定されています(民法第994条第1項)。

そして、これらの規定があることにより、「遺産をある相続人に「相続させる」旨の遺言がある場合、この遺言によって相続を受けるはずだった相続人が遺言者(=被相続人)より先に死亡していたときは、遺言者がその死亡した相続人の代襲相続人等に相続させる意思を有していたとみられる特段の事情がない限り、代襲相続は認められない」というのが判例実務となっています。

たとえば、父が「長男にすべての遺産を相続させる」という遺言書を書いていたとしても、父親の亡くなる前にすでに長男が死亡しており、父親の相続人として考えられるのは長男の子と長男の弟にあたる次男がいるという場合を考えてみます。

この場合、長男はすでに死亡しているので、遺言者である父親が、代襲相続人である長男の子に限って(代襲)相続をさせる意思を有していたと認められる特別の事情がなければ、長男の子だけで父親(長男の子からみて祖父)の遺産を分割することはできません。

つまり、この遺言書の効力は生じないことになります。

2.争いにならないようにする解決方法とは?

前記のような争いを避けるためには、予備的遺言をするのが効果的です。 自分が死ぬ前に相続人が死んでしまった場合のことを予備的に遺言しておくことによって、スムーズな相続が実現します。 予備的遺言には、以下のようなものがあります。

  • 遺言者の死亡前に長男が死亡した場合は、長男の子どもに前条記載の財産を相続させる
  • 遺言者の死亡以前に長男が死亡したときは、遺言者の有する一切の財産を長男の子どもに相続させる

3.予備的遺言がなかった場合はどうなるのか?

予備的遺言がない場合は、相続人全員でどのように相続するのかを決めることになります。

このケースでは代襲相続人である長男の子と次男で遺産分割協議をおこなわなければなりません。
もちろん、次男が認めれば、長男の子が遺産をすべて相続することもできます。

しかし、次男がこれを認めない場合は、長男の子としても納得はしづらいでしょうから、遺産分割協議がまとまらない可能性が高くなると思われます。

このように、もし今回例にあげたような遺言を作成する場合は、先に相続する側が亡くなる場合に備えた遺言の文言にすることをおすすめします。
どのような遺言の文言にすればよいのかわからない場合、まずは一度、遺言に強い弁護士に相談することをおすすめします。

遺言書に関する記事の一覧はこちら  遺言書

このコラムの監修者

  • 福田大祐弁護士
  • 福田法律事務所

    福田 大祐弁護士(兵庫県弁護士会)

    神戸市市出身。福田法律事務所の代表弁護士を務める。トラブルを抱える依頼者に寄り添い、その精神的負担を軽減することを究極の目的としている。

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