相続コラム | 福田法律事務所

神戸の相続に強い 福田法律事務所
相談料0円 078-366-6760までお気軽にお電話ください(受付時間 平日9:00〜17:00) WEBでのご相談は24時間受付中

新型コロナウイルス対策「オンライン面談・電話相談 実施中」

相続コラム画像

相続における土地や不動産の時効取得とは?

相続財産に土地や建物が含まれるとき、問題になるケースのひとつに「時効取得」があります。聞きなれない言葉かもしれませんが、「相続財産が誰のものかはっきりしない」可能性があることから、無視できないものです。ここでは時効取得の概要と、相続において時効取得が認められるケースなどを解説します。

そもそも時効取得とは何か?

不動産の時効取得とは、土地や建物を長期間にわたって占有している者が、その所有権を取得する制度を指します。これは、民法第162条に記載されています。

“第162条 (所有権の取得時効)
1.二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2.十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。”

条文にあるとおり「20年」「10年」という具体的な期間が設定されています。また、「所有の意思を持って」「平穏かつ公然と」という点もポイントです。一般的に時効取得は、次の5つの要件を満たしたときに成立すると言われています。

・所有の意思をもって占有している
・平穏かつ公然と占有している
・他人の物を占有している
・一定期間(10年、もしくは20年)占有を継続している
・占有開始時における善意無過失(他人のものだと知らず、なおかつ自分に過失がない)※10年の場合のみ

ごくごく簡単に説明すると「自分のものだと信じて疑わずに他人の不動産を占有し、特に問題になることなくそのまま長い時間が過ぎた」状態といえます。ただし「賃貸物件でも20年住み続ければ自分のものにできる」といった情報は間違いです。賃貸契約の時点で「自分のものである(所有権がある)」という前提が成立しませんからね。では、具体的にどういったケースで時効取得が問題になるのでしょうか。時効取得の具体例を見ていきましょう。

時効取得の具体的な例

時効取得が問題になるケースとしては、主に以下のようなものがあります。

○売主が所有者ではなかった
10年前にある土地を購入したが、実際にはその時の売主が土地の所有者ではなかった。しかし、買った本人はその事実を知らないまま10年が経過していた。

○自宅の塀が他人の土地にまたがっていた
隣の土地にまたがった状態で塀をつくり、20年が経過していた。(境界線を確認したところ、塀が隣の土地に作られていることが判明した)

○購入したはずの土地が名義変更されていなかった
両親から「20年前に購入した土地」と聞かされていたものの、実際には購入時に名義変更されておらず、売買契約書も紛失している。しかし、土地に建物を建てて、何事もなく生活し続けていた。

こういったケースでは時効取得が問題になりがちです。次に、「相続における時効取得」とはどのようなケースが該当するのかを見ていきましょう。

相続において時効取得は認められる?

相続においても、一定の条件を満たせば「時効取得」が認められます。それは、以下のようなケースです。

○相続において時効取得が成立するケース
・10年で成立する場合(短期取得時効)
遺産分割協議を行い、自分が不動産を相続することになった。また、戸籍を調査した結果、法定相続人が他に存在しないことを確認した。しかし、実際には他にも法定相続人が存在していた。

・20年で成立する場合(長期取得時効)
遺産分割協議を行い、自分が不動産を相続することになった。ただし、戸籍を調べずに法定相続人は他に存在しないと思い込み、不動産を相続した。しかし、実際には他にも法定相続人が存在していた。

上記2つのケースで共通しているのは「遺産分割協議の結果、所有の意思をもって相続した」という点です。ただし、「善意無過失」で期間が別れています。このケースでは「戸籍を調査したかどうか」ですね。20年のケースでは、「自分の思い込みで戸籍を調査しなかった」点が過失と判断されるでしょう。一方、時効取得が認められないケースでは以下のようなものがあります。

○時効取得が成立しないケース
・長年会っていないものの、兄弟姉妹が存在すると認識していた。
・遺産分割協議が成立していない。
・単に20年以上住み続けている(固定資産税に払っている)。

特に注意したいのが3つ目のケースでしょう。単に「20年以上住んで、税金も払っていた」というだけでは、時効取得の要件を満たさないのですが、本人が納得できませんよね。
こういったケースでは「法定相続人全員に対し、想定相続分に応じた金額を支払う」といった内容をベースに、遺産分割協議が必要になることがあります。ただし、20年もの時間が経過している上に、法定相続人が増えていることから、相続に強い弁護士の力が求められます

相続の時効取得は専門家に解決を依頼すべき

時効取得自体が「10年も20年の前のこと」を基礎としており、そもそもハードルの高い問題です。ここに相続人同士の利害関係が加わると、一筋縄ではいきません。経年による資料の消失、法定相続人の増加などに対応しつつ、スムーズに問題を解決できるのは弁護士だけです。相続の時効取得は、実務に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

このコラムの監修者

  • 福田大祐弁護士
  • 福田法律事務所

    福田 大祐弁護士(兵庫県弁護士会)

    神戸市市出身。福田法律事務所の代表弁護士を務める。トラブルを抱える依頼者に寄り添い、その精神的負担を軽減することを究極の目的としている。

その他の相続コラム

子どもが小さいまま配偶者が亡くなった(特別代理人)

1.特別代理人が必要な相続のケースとは? 幼い子どもを残したまま夫が死亡し、妻とその子どもが相続人になる場合、子どもに特別代理人という人を選任する必要があります。 なぜならば、通常であれば、未成年の子については親が代理でいろいろなことを行うことができますが、相続の場合、残された配偶者と子どもがいずれも相続人になるので、残された配偶者は自らの相続権...

相続登記をしない場合のデメリットについて

相続登記は不動産の相続時、名義変更時に必要な手続きです。しかし、「親の名義のまま変更していなかった」というケースをよく耳にします。では、不動産の相続登記を行わずにいると、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか。 不動産の相続登記とはなにか?なぜ必要? まず不動産の相続登記について解説します。不動産の相続登記とは、簡単に言えば「被相続人(亡くなった...

相続放棄の撤回

はじめに 当事務所に寄せられたご質問にお答えいたします。   私の父は、自営業をしていましたが、3000万円の借金を残して亡くなりました。父が残した借金を相続しても返済できる金額ではないと判断し、相続放棄の手続を進めています。ところが、最近になって父が株取引で利益を得ていたことがわかりました。借金を返済してもまだ資産として十分な額が残...

自分の住んでいる家が相続の対象になっている

賃貸住宅に居住している場合、借主もしくは貸主が亡くなって相続が起こったらどのように対処すれば良いのでしょうか? また、人間関係によって無償で家に住まわせてもらっていた場合、相続が起こったら貸借関係が終了することになるのかも問題です。 今回は、相続が発生した場合、借家に住み続けることができるのかどうかやその対処方法をご説明します。 1.賃貸住宅の場合 ...

相続・遺産分割に関するお悩みは、
神戸の相続対策に強い弁護士に お気軽にご相談ください。
初回相談無料!お電話にてご連絡ください
078-366-6760までお気軽にお電話ください(受付時間 平日9:00〜17:00) メールでのご相談予約は24時間受付中